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第349話〜生まれて初めての怒り〜
ボクは上下に激しく揺すぶられながら、霞がかった頭で必死にどうしてこうなったのかを考えていた。
けれども先程から甘い香りが邪魔をして、物事を深く考えることができない。それに四方から伸ばされた手が強すぎる快楽と痛みを同時に与え、僅かに残っていたボクの思考をどんどんと奪っていく。
腰を振っていた男の人がボクの体内に熱いものを出したあと、また違う人がベッドへと上がり身体をひっくり返して今度は後ろから犯された。
すると透かさず別の男性が前へと回り込み、ボクの口に膨張したものをいきなり根元まで無遠慮に捩じ込む。
そのせいで胃液がこみ上げてきたが、喉は男の人のもので塞がれている為に辛うじて吐くことだけは防げた。
「う゛ぅッ……う゛………んンッ………ッ」
激しく腰を振られ喉の奥を激しく突かれ、ボクは苦しくて抵抗しようとするけど両腕を後ろの男の人に掴まれ、逃げることもできなくされる。
そして支えを失ったことで更に喉の奥まで咥えることになって、生理的な涙が止めどなく流れた。
「こいつホント上も下も名器だなっ、こんなのとタダでヤり放題とか俺らマジでツイてるぜ!」
「いつも世話になってる基さんの頼みだからって白鷲と対立するのは流石に躊躇ったけど、やっぱ引き受けて良かったな!」
そう男の人たちは口々に言う。どうやら彼らは煌騎たちと対立している隣街のチームらしい。
彼らが叔父さんと繋がりがあったことにも驚いたが、こちらは年齢層が高めなのか皆どう見ても成人しているように見えた。
ってどうでもいいか、そんなこと……。
甘い香りはどこまでもボクの思考を停止させ、何ひとつ真実に辿り着けなくさせる。虚ろな目で視線を彷徨わせていると、ふと香住センセと目が合った。
彼は意味深な眼差しでにこりと微笑むと右手の人差し指を立て、自分の口元に当てシーッというジェスチャーをする。
その意味はボクにも分からなかったが今はとりあえず素直に目で頷き、事が終わるまでジッと堪えることにしたのだった。
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