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第369話
高速インターに待機中だった皆と合流し、俺たちは派手にバイクの騒音を響かせながら港倉庫の前まで乗り付けた。
そして正々堂々と正面から中へと突入する。
但し俺は先ほどの格好とは違い、虎汰らが買ってきた黒のパーカーを羽織りフードを目深に被っていた。
「―――なっ!? どれが白銀だッ!?」
「俺に聞くな! つか、みんな似たような黒のパーカーで見分けなんかつかねーよ!!」
辺りを見渡せば和之や流星、虎汰にチーム全員が似たような黒のパーカーを身に纏い、同くフードを目深に被っている。
今回の作戦は一見すればどれが俺か分からなくし、敵チームを混乱させるというもの……。
だが相手もそう易々と騙されてくれるほど馬鹿じゃない。冷静になれば明らかに体格が違ったり、背の高さである程度の見定めはできる。
「白銀を探せっ! それ以外に用はない!!」
「あいつは身長190cm以上もある大男だ! 背の高い奴を狙え!!」
思った通り背格好の似た奴には黒服を含め俺を捕らえようと人が集まり、背が低いとまでは言わないが比較的平均身長の虎汰や雪には殆ど人が寄って来ない。
それを見越して予め俺に近い背格好の奴らには、銀髪のカツラを被せより似せておいた。
この隙に虎汰や雪を先に奥へと進ませ、和之や流星や俺は行く手を阻むように多くの者を床に沈める。
「表はこれくらいでいいだろう、俺も先を行く! 他の奴らはあまり深追いするなと伝えておいてくれ!」
「了解ッ、俺や流星ももう少ししたら後を追う! お前は一応狙われてるんだから気をつけて行けよ?」
「フン、お 前 も なッ!」
敵チームの攻撃を軽く躱しながら和之と背中合わせになり、言葉を2~3交わしてまた対峙する相手に反撃を繰り出す。
正体がバレないよう名前を呼び合うのは極力避け、互いの健闘を祈って俺たちは分かれた。
そして虎汰や雪が進んだ道を進む。途中点々と気を失った敵チームの連中や黒服を目の端に入れつつ、そのまま突き進むとクリーンルームの手前で身を潜める2人の姿を発見した。
虎汰が俺に気づくと人差し指を立てて口元へと運び、お前も身を屈めと合図してくる。何事かと思ったが、言われた通りにして近づくと状況が読めた。
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