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第3話

「夢……か」 あの後翼と一緒に食事を済ませ、彼が学校へ向かった後、久々にそういったコトをするだけの相手を呼び出し、尋夢は久々に溜まった欲を吐き出していた。 その行為からの疲れだろうか、相手を帰してからソファで少し横になるつもりが、気づけば20時を回っていて、彼は慌てて飛び起きる。 (やばい……そろそろ帰ってくる時間だ) その考えが通じたのではと思う程のタイミングで、玄関の扉が開く音がした。 「ただいまー」 「お、お帰り。……ごめん!急な依頼が来て、さっきまで仕事してたから、夕食できてないんだ」 行為後に見てしまった夢にも多少なりとも罪悪感を感じていた尋夢は、リビングに入ってくる翼の顔が見れずにいた。 「……ふーん。そうなんだ」 「せっかくだし、今日は外食するか!」 「……行かない」 「なんでだよ?たまには、美味しいものでも一緒に食べないか?」 「……な……の…………、行きたくない」 最後の言葉が聞き取れず、尋夢は笑顔を作って彼に聞き返す。 「ん? ごめん、聞こえなかった」 「だからさ……知らない男の匂いをつけた尋くんとは、行きたくないって言ったんだよ!」 声を荒げながら翼が発した言葉に、尋夢は驚く。 「な、何言って……」 「尋くんさ、それで隠してるつもり? ……自室に連れ込めば大丈夫だって思ってるのかもしれないけど全部バレバレだし、今なんていつもに増して『さっきまで抱かれてました』って匂い、ダダ漏れだよ」 「んん……っ!」 長くて細い翼の指が、耳の付け根から首筋を通り、鎖骨のくぼみをゆっくりと撫でる。 あまりの気持ちよさに、尋夢は頬を赤く染めると、無意識に甘くて色っぽい声を出していた。 「……じっとしてて」 「うわああっ!」 翼は舌打ちをしてから、その場で軽々と尋夢を抱き抱えると、ドシドシと部屋中に響く程の足音を鳴らしながら、シャワールームへと彼を投げ入れる。

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