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第4話
「っぷはっ! ちょ! やめっーー」
浴室の床にやや乱暴に降ろされた尋夢は、冷めた瞳で翼に見下ろされながら、シャワーのお湯を勢いよくかけられる。
空気を求めて、水圧から逃げるように顔を動かし口を開くと、何かで塞がれる感覚に襲われた。
「んんっ……ん〜〜!」
頬に張り付いた髪を撫でながら、翼は自身の口を尋夢の口へと当てていたのだ。
舌と舌が絡み合い、髪から滴る水なのか口から溢れ出す唾液なのか、どちらか分からないもので尋夢はぐちゃぐちゃに濡れていた。
「やめ……ろっ!」
「っ!!」
快楽に流されそうになりながらも、尋夢は力を振り絞って、翼の唇を噛み抵抗する。
「あっ……ごめ……」
切れたところからゆっくりと溢れ出す血を見て、慌てた尋夢は彼の口元に手を伸ばすが、すぐにその腕は拘束され、壁へと押さえつけられてしまう。
「尋くんにつけられたものなら……痛みでも、俺にとってはご褒美みたいなもんだから、大丈夫だよ」
舌で傷口を舐めながら、翼は怪しげな笑みを返す。
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