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第5話
「っ…!」
明が息を飲む音がした。
ピッとナイフの刃が僅かに皮膚を裂いて、血が滲んだ。その痛みに、すでに蕩けきっていた朔の体はビュッビュクッと水音を立てて白濁を飛ばした。
「ッ、ンぅぅっん」
明の顔に白濁がべっとりと付く。
「あ…」
「…チッ」
忌々しそうに明が舌打ちをした。慌てて朔が謝罪の言葉を言おうとすると、その言葉を明が遮った。
「ごめっ…」
「違う」
「あき、ンッ」
僅かに滲んだ血を明が舐める。裂けた肉に明の熱い舌が直接触れて、じわりと痛んだ。それすらも朔にとって性器への愛撫となんら変わりなく、射精後の過敏になった体は熱を増していくばかりだ。
「…ン…あんまり煽るなよ…っ。手元狂っただろうが」
丁寧に丁寧に舐めながら上目遣いで朔の顔を見つつ、明がやや苛立ったように呟いた。
「…?…ごめん」
どうも白濁が顔についたことでなく、煽ったつもりは一切ないものの朔が煽って手元が狂ったことで明は舌打ちをしたようだった。朔は首を傾げつつもとりあえず謝っておく。
その間にも、切り傷はすぐに皮膚を再生させて跡形もなく消えていった。傷がなくなると、舌が離れ、再びシェーピング剤を残りの毛にぺたぺたとやや乱雑に擦りつけられる。
「あと少しだから、もう煽るなよ」
「…うん」
だから、煽ってないんだけどな。
むしろ、勝手に想像して一人で興奮してしまったという恥ずかしい状況なだけなんだけど。
と思いつつ、明の股間に目をやると、そこは立派に育っていた。
どこで煽られたのかは分からないが、十分煽ったらしい。
朔にいたずらをする余裕もなくなってきたのか、傷をつけたことが余程苛立ったのか、その後は無言で真剣な目をして、明は全ての毛を剃っていった。
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