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考えてみようと、4ヶ月

「で、今日のデートプランは何ですか!太陽さん!」 「デートじゃねぇっつってんだろ!」 助手席に乗りこんでは的外れなことを抜かした少年に、デコピンをくらわせてからシートベルトを締めてナビを操作した。 「サンツーって、あの大きなショッピングモールですか?」 「おー。」 (ハテナ)マークを浮かべつつ、ナビを操作している太陽の顔を横目にはて、と彩斗少年は考える。 一つ、何故近場のスーパーではなく少し離れたショッピングモールなのか。 一つ、仮にいつもショッピングモールまで買い物をしに行っていたとしたら、ナビを設定する必要はあるのか。いや、全く無い。第一にナビが必要だったとしてもこんなに(ハテナ)マークを浮かべつつ、ナビを操作していない。 一つ、買い物に誘ってくれた時の太陽の表情と様子を思い出すんだ、彩斗。 やっとの思いでナビ設定を終えた太陽の横でぐるぐると思考を巡らせていた少年は、とある結論に至る。 「やっぱりデート!」 「違げぇ。」 さらに少年は真顔で否定した三十路男に言及する。仮にデートじゃないんだったら近場のスーパーでもいいんじゃ……と。 これが、純粋な疑問点として太陽に言及しているのだからこの少年は太陽に分かりやすいと言われてしまっているのだが……。 「あ、あそこならスーパーも日用品売場もメシ処も多いだろ!買い物に付き合って貰うから奢ってやるっつってんだ!嫌なら行かねぇぞ!」 「え……っ!行きます行きます!」 頭いっぱいいっぱいな三十路男──こちらもこちらでアホだった。 「……、デートじゃねぇぞ。」 「ふふっ、分かりましたって。それよりも早く行きましょう。混んじゃいますよ?」 むすくれ唇を尖らせていた太陽に、やはり内心で可愛いを連呼しながらも微笑んだ少年は、頭上に花を咲かせつつ、自身もシートベルトを締めた。 シートベルトを締めた彩斗から視線を逸らしてドライブモードにした太陽は、一つ、心に誓う。 ──絆されるな、と。

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