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覚悟と勇気と終わりの6ヶ月
あの日……──後頭部付近を殴られた彩斗は、あの事件から三週間が経とうとしているにも関わらずに未だ、意識が戻っていない。
「……、結花」
「あ……来てくれたんだ。毎日ありがとね、太陽」
「……いや、責任はおれにあるからな」
「もー、それは違うって何度も言ってるでしょう!目を醒まさない彩斗 を助ける為に左腕まで折ってるのに……何から何まで迷惑かけてるんだから、逆に申し訳ないよ!」
結花の言葉に苦笑いで返しつつ、空気を読んだ結花の婚約者が病室を出て行くのを腕を掴んで阻止した太陽は、ここ三週間で覚悟を決めた事を伝えるべく、戸惑っている結花とその婚約者を交互に見てから"二人に"伝えなきゃいけないと腕を掴んだ手に力を入れて懇願した。
「すみません!」
「「え……!?」」
「婚約してる二人に、こんな事言うのは間違ってると思う……!おれのケジメだとこじつけて勝手な事を言うと思う……!でも、考えても考えても最終的にはケジメをつけないと、おれも彩斗も先に進めねぇなって……っ!」
「と、とりあえず顔をあげて下さい、太陽さん……!」
「そうだよ太陽……!いきなり頭下げられても正直怖い!」
「結花お前なぁ!?こっちは悩みに悩み抜いて……!」
いきなり頭を下げた太陽に一瞬ギョッとした二人だったが、すぐにあわあわとし出しては太陽以上に低姿勢で迫る。
そんな二人の様子に太陽が敵わないなぁと微笑んで、もう一度謝ってから本題を切り出したのだ。
ずっと引きずっていた、この想いに──……さよならを。
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