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Ⅱ 見せしめなら俺がなってやろう④
体温が、熱い……
苦しいくらいに
俺の体、囚われている。逞しい腕の監獄に……
ぎゅっとしがみつく。
俺、怖かったのか?
あぁ、そうか。
だから今こんなにも鼓動が激しく打ちつけてるのに、あたたかいって感じるんだ。
重なる鼓動の熱
安心する。
「なぜ来た?なぜ、お前は想定外な事をする」
肩にうずめた吐息が震えた。
「ベルは危険な悪魔だ。だから、お前から引き離したのに」
(それじゃっ)
誘拐だと思っていたのは、飛鳥の自作自演!
ベルは飛鳥と一緒にいる……
「どうしてっ」
お前こそ、なんで?
襟元を引っ掴んだ。
「飛鳥!俺たちはパートナーだろ!」
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