全てを買い出し一安心していた。後はこのまま家に帰ってみんなで楽しくパーティーをすると考えていた 「キキーッッ！」 車の鋭い音と共に誰かの手により僕は突き飛ばされて朔也先生と共に道路の脇へ転がった。 あまりに一瞬なことで何が起こったのか全く理解が出来なかった。服に飛ぶ無数の血飛沫。認めたくない。事故が起きたということを… 僕の中で危険信号が発信され呼吸が荒くなっていく。 視界の恥で見えるのは倒れている櫻井と必死に電話の先の相手に状況を伝えながら応急処置を取っている朔也先生。 体中から冷汗が溢れ過去の事件がフラッシュバックする。 複数のパトカーと救急車が駆け回る音がしてそこで僕の意識は途切れた。 「母さんと拓斗を返せ！」 真っ赤な視界の中で涙を流す少年。 周りの男達がどんどん迫ってくる。 パチッ 目が覚めるとそこは白い天井にアルコールの匂いが充満した部屋だった。 隣のベッドには包帯でぐるぐる巻にされている人が寝ている。 ベッドの柵には櫻井という文字があり、すぐに寝ている人物が分かった。