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新しい執事

そして数日後。 櫻井は退職し、今日は新しい執事が来る日であった。 「コンコンッ」 戸を叩く音で目が覚めた。 「ん…誰?」 「失礼しました 新しく彼方様の身の回りのお世話をさせていただきます、春咲と申します」 扉の向こうからは爽やかな声が聞こえて意識がはっきりする。 「入ってきて…」 「失礼します」 扉があいたその先には燕尾服をしっかりと着こなし、モデルをやっていてもおかしくない顔立ちと僕より遥かに高い身長の男が現れた。 しかし、どこか気持ち悪い…営業スマイルというか…明らかに作った笑顔をしていた。 「あの…無理に笑わないで…」 寝起き独特の掠れた声が部屋に響く。 その瞬間に春咲という男の顔が驚きに満ちた。 するとすぐに感情を映さないような顔になった。 「取り敢えず一回消毒液を着けてきてくれるかな…」 春咲は不思議そうな顔をしながらも近くにあった消毒液を全身に撒いた。 そういえば部屋に入って来たときに嫌という気持ちは無かった…治ってきてるのかな?

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