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彼方の過去
目が覚めたときには病院で寝込んでいた。
このときはまだ潔癖症では無かった。
精神と体が回復し、久々に学校に行くと下駄箱にはたくさんの「汚い」と書いてある紙が入っていた。
教室に着くと周りから「あいつ男とヤッたんだってー」「汚い!」などといわれた。
小5の僕らはそこら辺の知識は結構知っていて口にするのも拒むような言葉が飛び交っていた。
黒板にはその時のニュースの写真や新聞の記事がぎっしり貼られていて、中央に「汚」。ただそれだけ書かれていた。
それから自分がどんどん汚く思えてきて、体中を洗いすぎていたところを櫻井に止められてたが、その手も振り払ってしまい、精神科に向かった。
すると診断結果は「潔癖症」。またの名を「不潔恐怖症」や「強迫性障害」。症状は、人によって重さが違うらしいが僕はとても重い症状だったらしい。
それから頻繁に手や体を洗い、手袋を着けたり、食器を吹いたりするようになった。
特に左手は他のとこよりも倍洗った…
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