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気持ち悪い
気付いたら僕は走ってお風呂場に向かっていた。すべての服を脱ぎ床に投げる。今はそんなのも気にならないくらいに自分を洗いたくてたまらない。
お風呂に入るなり泡立てネットに沢山の石鹸を付け体中を念入りに洗う。それを何度も繰り返して血が出ていたが、今は痛みより汚れを取りたい一心で洗い続ける。どんなに洗ってもあの感覚が離れない。
「汚いんだよ!」
うるさい…
「あいつ男とヤッたんだって!気持ち悪っ!」
うるさい…うるさい…
「キャー!近づかないで!」
「うるさい…うるさい…うるさい!!」
涙がシャワーと共に頬を伝う。立っている力が無くなり床に座り込む。
ガチャッ
誰かが入ってくる…
「彼方!」
瞬時にタオルに包まれあの落ち着く消毒液をの臭がする。白いタオルに赤いシミがどんどん増えていく。
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