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内容

部屋に入り、手をしっかり洗ってから制服をハンガーに掛けまんべんなく消毒液をかける。今日使っていた手袋を外し新しい手袋を箱から出して着ける。これが僕の習慣であり崩れる事は無い。ただ一つ違うのは謎の手紙を開封すること。前の電話の時みたいにならないように近くに精神安定剤を置いとく。 隣には歩叶君が真剣な顔でこちらを見つめる。 ゆっくり開けると、入っていたのは手紙。そして… 「嘘…」 近くにあった錠剤を雑に取り口に一気に含む。歩叶君から渡された水を飲み込み心を落ち着かせる。この一連の動作の間にも僕を擦ってくれる歩叶君がいることですごく心が和らぐ。 手紙の他に中に入っていたのは僕の写真と歩叶君の写真。学校に向かっているときの写真や家に入ろうとしているときの写真。手紙には… "久しぶりだね、彼方君。櫻井さんの事は残念だったね。最近は歩叶と居るみたいだけどまた、僕の元に戻して気持ちよくしてあげるね?君は絶対に僕のとこに来てくれないと、君のお父さんが悲しまないからね…待っててね" 寒気、鳥肌、体中を洗いたい衝動にかられる。

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