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もう手遅れ
あれ?僕、今なんて言った?
「彼方君…っこんな状態で、良く歩叶の名前をだせるね?…まだまだ余裕なのかな?」
「ああぁぁぁぁっ!やっだ!…」
僕、今歩叶君の事好きって言ったの?これは友達として?それとも……胸が痛くなって締め付ける。好きという感情が溢れて止まらない。
そうか、僕は恋をしていたんだ…歩叶君に
涙が溢れて止まらない。今すぐにこの気持ちを伝えたい…でも、こんなに汚い僕を受け入れてくれる?
「歩叶…君に…会いたい…会いたあああっ!」
「…っ…うるさいな…」
意識が遠のく。頭の中に浮かぶのは歩叶君ただ一人。
「おい、お前タバコかせ!」
「いやぁぁぁぁ!」
急激な痛みに意識が戻る。男は僕の胸にタバコを押し付けたようだった。タバコの跡がくっきりと付き切れたところから血が溢れる。
「やっべ…超締め付けて来る…イキそっ!」
「やだっ!やだ…やだやだやだ!」
「…っ!」
僕と男は同時に達した。中にじんわりと温かいものが広がっていく。もう、だめだ…僕は…もう歩叶君に近づけない…完全にこの男に染まってしまったんだ…
「このまま失神されても困るからね…また来るから待っててね!」
そう言って男は去っていった。
残された僕の後孔からは男がさっき放ったばかりの液体が垂れてきて気持ち悪い。もう、僕には誰も助けに来てくれないんだ…
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