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信じたくない
部屋に櫻井さんの声が響く。みんなの意識が一気に櫻井さんの方に向き次に来る言葉を期待している。
「これ見てください!」
そこに映っていたのは彼方の後ろの方にある玩具が詰められたダンボールだった。
「少し待ってて下さい」
ダンボールに貼られている住所の書いてある紙をより明確にしていく。
そこに映し出されたのは
「親父の仕事場…」
ありえない…ありえてはいけない。絶対に…
きっと違う筈だ…そうだ、ただ親父の仕事場なだけであって親父がやったとは限らない。
親父が働いているのは地下にある酒場。酒場だったら他にも何人か働いているから違うはず…
焦っている頭の中で必死に言い訳をして、自分に違うと言い聞かせる。
「お、れ…ここ知ってます…親父が働いている酒場です…」
「そうなんですか?!ではすぐに向かいましょう案内してください」
俺は急いで車を手配しその場所に向かう。車でだと30分くらいだ。
「もう少し頑張ってくれ…彼方…」
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