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本心(Side彼方)
「聞いた、でしょ…だからもう僕には関わらないで…お願いだから…」
違う…
「でも…ほんとにごめん…」
「歩叶君のお父さんに…ここまで、されたんだ…もう近づ、きたくない…」
違う!歩叶君…本心じゃない…こんなこと言いたいんじゃないんだ…ただ歩叶君のことを思って…僕に関わったらまた何か起こる。こんなに汚れた僕が歩叶君を触る権利もないし触らせたくない。
普段クールな歩叶君の目からは一粒の雫が垂れる。
「執事はやめて…学費は今までの通り、うちから出すから…もう関わって来ないで…」
心臓が鷲掴みされたように痛い。今は自分の本心を隠すのに精一杯でしっかりと頭が回らない。
「分かっ、た…もう…近づかない…けど!また俺の事が必要になったらいつでも言って!すぐに行くから…」
ホントは行ってほしくない。一分一秒でも離れたくない。僕は歩叶君が好きだから。すぐにでも抱き締めてもらいたい。大きな体で保健室やお風呂場でしてくれたみたいに。キスもいっぱいして欲しい。
「今まで…ありがとう」
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