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ありがとう

「あの事件のときに彼方にキスしたら吐かれて…もうだめだって…俺はそんぐらいの事したんだって思って…その後に嫌いなんて言われてもう立ち直れなくなって…っ…昨日、彼方のとこ来たときにまた拒絶されたらどうしようって思って、ただただ怖くて…でも良かった…彼方から好きって言って貰えたのが俺の一番のプレゼントだよ」 「プレゼント?」 「言ってなかったっけ?今日は俺の誕生日、だから俺は昨日のエッチな彼方と告白が俺の一番のプレゼント」 知らなかった。ホントに僕は歩叶君について何も知らない。そう思うと自分が情けなくって何も知らない自分が嫌いでこんな僕が両思いになってよかったものなのかと不安になる。 「僕でいいの…?」 「急に変な事聞き出すなよ」 変な事…やっぱり僕じゃ駄目なんだ… 「勘違いすんな…彼方でいいっていうか俺にとって彼方はいなきゃいけない存在で当たり前の事だから聞くなっつったの…彼方が駄目とかじゃないから」           「エス、パー…」 「全部聞こえてんぞ」 そう言って声を出して笑い合った。こういう時間がとても楽しくてつい時間を忘れてしまう。もしかしたら歩叶君がいたらなんでもできるんじゃないかと思う程に…ほんとに歩叶君に会えて良かった。 「歩叶君…お誕生日おめでとう!生まれてきてくれてありがとう、僕を好きになってくれて、僕に触れてくれてありがとう!」 歩叶君は微笑んで僕を抱き締めた。 「また彼方の執事になってもいいか?彼方の言う事なんでもする…もう傷付けないから…」 「もちろんだよ!」

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