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体育祭
毎年この時期になると気分が憂鬱になる。
「体育祭」僕の敵。熱中症とかで保健室に人が運ばれて来たり、美晴先生は一日中外にいてつまらないし…
「なぁ、彼方…一緒に出よ?200m走なら俺も出るから一緒にやろうよ」
「やだ!あんなに人が居て、砂埃が舞ってるとこになんか行きたくない、あんなとこにいたら僕の精神ダメージが…」
今は歩叶君に保健室で体育祭に一緒に出ないかと誘われているとき。もちろん、体育祭なんて出たくないしあんなとこに出たら僕はみんなに見られるわけだし…
「メガネとか外さなくて良いから!そしたらみんな近寄って来ないし触んないよ」
今、サラッとなんだか酷い事を言ったような…
「じゃあ…出たらご褒美くれる?」
歩叶君から何かくれるんなら僕だって我慢できる。これでも歩叶君とその…体、を重ねた日…からほんの2、3割増しぐらい症状が軽くなった。って言ってもまだ教室でみんなと話したりとかは全然無理だし、歩叶君にしかさわられたくないのは事実で…
「ご褒美?いいよ」
すると歩叶君の目が光った気がした。まるで狼が獲物を見つけた時のように…
「ご褒美、期待してろよ」
そう言って授業に戻るからと教室を出ていってしまった。
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