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僕のために
「家庭の事情で教室に来れなかった桜城 彼方だ、体育祭に参加するそうなので仲良くしてあげろ」
担任からの紹介があり、みんなに頭を下げる。正直30人程の知らない相手の前だと鳥肌と寒気がする。でも、歩叶君のご褒美が…
「少しだけお世話になります、桜木 彼方です…お願いします」
「…地味じゃね?」
「キモッ…ハハッ」
小学生の頃の記憶が蘇る。こうなると思って一応、精神安定剤を飲んできたけどやっぱり辛いものは辛い。
「ガラガラッ」
「えっ?」
「お前ら彼方になんかしたら分かってんだろうな?一応彼方の兄として言わせてもらうけどそんときはホントに許さねーぞ?」
「俺のセリフ奪わないでください!てか彼方は俺のですから!」
教室に入ってきたのは理人と歩叶君。理人はこれでも一応生徒会長をやっている。桜木財閥の息子ということは隠しているらしいから弟とバレても問題無いのだけれども…理人の格が下がる…勉強も出来るし、かっこいいし、運動出来るし…それなのにこんな地味な弟がいるっていうのは欠点になるのじゃないかと心配になる。
それに加え歩叶君。こんなイケメン二人が僕のためにこんな事を言いに来るなんて、あっていい事なのかな?
「じゃ、それだけなんで、帰ります…失礼しました」
教室中に殺気を漂わせてみんなを睨みつけ勢い良く走ってて二人は帰って行ってしまった。
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