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我慢(Side彼方)
「ここはこうして…そうそう」
歩叶君の進級テストの日まで残り10日をきっていた。もちろん僕と歩叶君は、恋人っぽい事はお互いに何もしていない。キスすらしてないし正直、僕も辛い。最初の方はなんとかなってたけど今は歩叶君に触れたくてしょうがない。でも一緒のクラスになれると思ったら頑張ろうって気持ちになれて少しは落ち着く。
「彼方」
今、歩叶君に抱きついても怒られないだろうか…笑って受け止めてくれるのだろうか
「彼方」
歩叶君も僕と同じ気持ちでいてくれるだろうか…
「彼方!」
「あ、ごめん…ちょっとぼーっとしてた…で、どこだっけ?」
「なんか、あった?」
「なんでもないよ?ホントに…」
部屋に痛いほどの沈黙が流れる。
「ここの答えこれであってる?」
「うん、大丈夫…次の問題やろうか」
「彼方」
「な…んっ…だ…めっ…」
名前を呼ばれそっちに意識を集中させると急に歩叶君の顔が近づいてきて気づけば唇が触れ合っていた。僕もダメと抵抗するものの嬉しくて受け入れてしまう自分がいて段々と快感に溺れていってしまう感覚に浸っている。
「まだ…ダメ…っ…はぁっ…」
最初は触れ合うだけだったのに唇を優しく噛まれたりして力が抜けていき酸素を求めようと口を開いた瞬間に歩叶君の舌が入り込んできて余計に刺激する。舌を絡められ歯列をなぞるようにして口の中で暴れる。久しぶりの事で体は反応しきっていてスウェットの上からでもわかるぐらいにソコは勃ちあがっていた。
「ごめん…もう無理…」
「待って…もう少しの…我慢…」
自分でこんなことを言っていても唇が寂しくてホントはもっとって求めてしまいそうになる。
「あと、10日だから…もう少しだけ…」
「彼方は俺と同じ気持ちじゃないの?彼方に触れたくて、抱きしめたくて、エロいとこも全部見たくて…こんな事思ってんの俺だけなの?」
「…っ…グスッ…」
同じ気持ちでいてくれてる事が嬉しくて自然と涙が出てくる。
ギュ
「ごめん…泣かせるつもり無かった…」
僕が泣いてる事に気づきすかさず抱きしてめくれるのは歩叶君の優しさ…この優しさにあまえてはいけない…けど…少しだけ…
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