113 / 132

ガトーショコラ

(Side彼方) 「…えっと歩叶君ってこういうところ何回も来たことある?」 ナイフやフォークを消毒しながら問いかける。 「は?」 よく似合ったスーツを着てナイフとフォークを上品に使いこなし、はにかむ歩叶君の姿に驚きを隠せないでいた。僕達は試験が終わった後に父さんが良く行ってるらしいレストランに来ている。もちろん凄く上品なとこで歩叶君はナイフもフォークもテーブルマナーもしっかりとしていて見惚れてしまった。 「だから、なんでこんなに様になってらっしゃるんでしょうか…なんか…かっ…こいい」 「俺が彼方ん家に行くときに全部こういうマナーとか頭に詰め込んだ」 「え?あの短期間で?…天才って…怖い」 「お待たせいたしました、こちらデザートのガトーショコラでございます。」 そんな事を話しているうちに気付けばデザートがきていた。綺麗な盛りつけで食欲をそそる美味しそうなガトーショコラだった。お皿の端にはベリーソースやイタリアンパセリで彩りを良くし、最近みんなが言っているイン○タ映え?ぽい感じだった。 ……そういえば…前に理人にチョコ類は食べちゃだめって言われなかったっけ?まぁ、アレルギーじゃないしいっか …………………………… (Side歩叶) 「へへへ…あーゆと君…ギュってして…」 「大丈夫かよ?」 おかしい…彼方がおかしくなってる 「取り敢えず会計してくるから」 「僕も…いく…あーとくんといっしょにいくー!」 まさか…いやそんな事ある筈… 「チリンチリン」 近くにあったベルを鳴らし店員が来るのを待つ。 「いかが致しましたか?」 「あの、このガトーショコラって酒入れてます?」 「はい、少々ラム酒を…」 「やっぱり…ありがとうございます、あと会計を」 「かしこまりました」 まさかとは思っていたが本当に酒で酔ってる。しかもごく少量で…

ともだちにシェアしよう!