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平和な日常…?
僕が教室通いになって数日が経った。やっぱり数人が集まった空間で授業を受けるのはキツかったけど歩叶君と光ちゃんのおかげでなんとか過ごすことが出来た。
でも…
「歩叶君…本当に…恥ずかしい」
「ん…?」
「みんな見てる」
というのも…僕がクラスの女の子から勉強を教えて欲しいと言われたから教えようとしたら、突然に後ろから抱き締められた訳だ。
「これじゃ、勉強教えられないよ…」
「んー…このまま教えれば?」
「……」
日に日に教室でのスキンシップが酷くなってきた。僕を膝の上に乗せて抱き締めてきたり、手を繋いできたり…もっと酷いときには一瞬だけどキスをしてくる日もあった。クラスのみんなは僕達が付き合ってることを知っているから問題は無いのだけれども、とにかく叫ぶ…
「きゃぁぁぁ!!彼方君可愛い!」
「あっ!ほら!また抱き締められてるよ!」
こんなふうに…
「も、もももうだだだ大丈夫だよ!!」
「いいの?後ろのは気にしなくていいから続けよう」
「いや、そんなわけには」
「ひゃぁ!」
首にいきなりきた違和感に思わず変な声が出る。
「…………」
「歩叶君?」
「んーおいしい…」
「キャァァ!!見た?みんな見た?!歩叶君が彼方君の首を舐めた!!!」
その通り…
首に違和感を与えた張本人はうるさいと、顔をしかめている。
「いい加減にしろぉぉぉ!!!」
「……」
クラスに響いた光ちゃんの大声にみんなが静まる。これこそ救世主…
「こういうのは静かに見て心の中で叫ぶの!あと、この事は他言無用ね!他クラスにバレたらみんな見に来ちゃうから!うちのクラスだけの秘密だよ!」
「光ちゃん?言ってることが…」
「もう、これで大丈夫!好きなだけイチャイチャしてください」
「ちょっ…ちょっと!」
言う事が違うよ!
「んじゃ、遠慮なく」
「歩叶君?!もう駄目だってーー!!」
こんなことを言ってる僕だけど内心は
……もっと僕に触れてよ……
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