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痛みの原因

ドアを開けてその場に崩れ落ちる。それと共に抑えてた僕の中の何かも崩れ落ちていった。 「……知らないよ…こんなの…」 分からない…初めての感情で…ただあの光景を見た瞬間に涙が溢れそうになって、心臓を鷲掴みにされたような感覚になった。黒いモヤがかかって自分が自分じゃないみたいな感覚。 「痛いよっ…」 この胸の痛みも分からない振りをしていただけで今まで何度もあった。朔也が女子達と仲良くしているとき、僕に触れてきたとき、僕に笑いかけてくれたとき、そして今だって。 医者の家系に生まれた僕にはこの痛みが病気で無いことなんて瞬時に分かる。けどずっと隠していたくて、知らない振りをして…… 「好き…なんだ…」

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