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第6話

『あ、先輩!目、覚めました?』 『うわっ!あったま痛てー!で、ここどこ?』 『マジで先輩何も覚えてないんすか?』 『なんにも。』 『先輩が役員さん達を送った後にトイレに駆け込んで、あんまりにも遅いんで俺見に行ったんすよ!そしたら見たことない男の人が先輩の肩を担いでトイレから出てきて…』 『見たことない人?』 『はい。見たことないんですけど、スーツ着てたし取引先の懇親会に参加してた方ですかね?』 『あー、その可能性はあるな…』 やべぇ。全然覚えてねぇ。 トイレに駆け込んで、個室の鍵を閉めて… 食べた物、飲んだ物全部出した?ところまでは覚えてるんだけど、そこから先が全然思い出せない。 それにしても誰なのだろうか? 俺に肩を貸してくれた親切な男性は… 『先輩どうします?』 『なにが?』 『ここ泊まりますか?一応部屋は取りましたけど。』 『あー、悠希も実家に預けてあるし泊まろうかな。』 『了解っす!じゃ、俺は失礼しますね!』 『加藤、悪いな。ありがとう。』 『では!おやすみなさい!』 元気良く頭を下げると加藤は帰って行った。 とにかく今は頭が痛すぎて何にも考えられない。 おまけに何も思い出せもしないし、俺は目を閉じた。

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