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第13話

『パパー!冬馬くんとねー、ブロックでこんなの作った!』 『は、はーい!どれどれ?』 冬馬くんの部屋から出てきた悠希が俺の顔を心配そうに見つめる。 『パパ…どうしたの?』 『ん?な、なんでもないよ。』 そう言いながら悠希が作ったブロックを手に取る。 『冬馬くんのパパ…悠希のパパ、いじめちゃダメ!』 『ゆ、悠希!?』 『悠希くん、いじめてなんかないよ。おじさんはね、悠希くんのパパと仲良くなりたいの。』 『そうなの?』 『そう!悠希くんと冬馬よりももっと仲良しになりたいんだよ。』 瀬木さんがそう言うと、悠希の顔がパァッと明るくなる。 『よかったぁ!冬馬くーん!パパ達もね、仲良くなりたいんだってー!』 そう叫びながら冬馬くんの部屋へと駆けて行く悠希。 えっと…この状況は… 瀬木さんの方を盗み見た。 『ということで近藤さん。』 『は、はいっ!』 『私は仲良くなりたいと思ってるんですが、近藤さんは?』 『そ、それはもちろん子供達同然仲良く!』 『いえ、そういう仲良くではなくてですね…』 そう言いながら瀬木さんが、ガタッと椅子から立ち上がり俺に顔を近づける。 そして頬に触れる柔らかい感触… 『せ、瀬木さんっ!?』 焦って口づけられた頬を手で覆いながら瀬木さんに問う。 『すみません、一目惚れです。』 『へ?』 とんでもなくマヌケな返事に瀬木さんが苦笑する。 『お恥ずかしながら一目惚れでして…。あの日、あの接待宴会の日、企業同士の宴会でしたがうちの部長にお酌をしに来たあなたに一目惚れしたんです。見た瞬間に体に電流が走ったような…って、こんな漫画みたいな話ほんとにあるんですね。自分でも笑ってしまいました。』 そう苦笑いしながら話す瀬木さんがなんだか可愛い。 これって…いいのだろうか… いや何がって、こうやって気持ちを伝えられて嬉しいと思ってしまったことが…。

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