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第14話
『あの…お友達から…』
瀬木さんが俯きながら言葉を発する。
『いや、それはちょっと…』
『そうですよね…やっぱり気持ち悪いですよね…子供たちだけでもこのまま仲良く…』
『いえ、そうじゃなくて…』
そう言葉を発すると、俺の体は勝手に動きガタッと椅子から立ち上がる。
『近藤さん…?』
不思議そうな顔をして俺を見つめる瀬木さんのおでこにキスをした。
『なっ!?』
瀬木さんのキレイな切れ長の目が驚きのあまり見開かれる。
慌てておでこを押さえる瀬木さんが可愛い。
『仕返しです。』
なーんて言いながら、みるみる赤くなる瀬木さんを見ているとたまらない。
しかし、おかしな話だ。
俺は一目惚れなんてしていないし、瀬木さんのことをただのパパ友で、思い出すまでは初対面だと思っていたし、そりゃカッコイイ人だな…とは思ったけれど、まさかそんな恋愛対象だなんてこれっぽっちも思っていなかったわけで…。
なのになぜだろう。
瀬木さんに思いを告げられ、ほんの数秒で恋に落ちてしまったのだ。
『あの…これはどういう…』
『瀬木さん、好きです。』
絶句して言葉が出ない瀬木さんが可愛くて可笑しくてたまらなく愛おしい。
急に落ちてしまった恋に戸惑いを隠せない自分と、なんだかその状況を楽しんでいる自分。
こういうのが一番ドキドキして幸せなのかもしれない。
『『パパー!』』
走って来た子供たちがそれぞれの父親に抱きつきニコニコとしている。
あ…なんかいいかも…。
心の中でそう思いながら瀬木さんを盗み見る。
バチッと目が合って、恥ずかしながらもお互いに微笑み合った。
『長居してすみませんでした。』
結局晩ご飯までいただいてしまい、料理まで完璧にこなす瀬木さんにより惚れてしまい骨抜きの俺はニヤニヤしながら玄関で頭を下げる。
悠希と手を繋いで帰る途中もルンルンで、不思議そうな顔の悠希の頭をガシガシと撫でながら家へと帰った。
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