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第2話

「これ、この子を預かって欲しいってことだよな」 アキラは状況を整理しつつみずきに問う。 「そ、そうだな」 「っていうか、よくオレ達に預けようと思ったよな、見た目これなのに…」 アキラは自分の姿を省みる。 肩まで伸びた髪は淡い栗色、瞳は深緑で日本人離れした美人顔、身長もそれほど高くない為、男にも見えないだろうけれど…日本人には到底見えない。 「俺も…」 みずきも、性格は真面目だが昔、父親への反発から髪を茶色く染めていてその名残りで今も茶髪のまま、元来の無愛想顔でとても安心して預けられる要素は見当たらない。 とは言ってもアキラにだけは優しい顔をみせるのだが… 「もしかして、野良猫可愛がってるところ見られたかな」 「あぁ、一昨日」 先日、買い物帰りに公園の付近でアキラが野良猫を見つけて2人で撫でたりしたことがあった。 「だとしても、チョイス間違ってるよママさん」 あまつさえ男同士のカップル選ぶとは… 「どうする?」 「うーん、普通、警察に届けて児童相談所に通報だよな…」 「けれど、手紙が…」 「だよな…3日したら迎えに来るって、けど子育てなんかしたことないしな」 「そうだな」 2人で考えていると、不意にベビーカーに乗っている子どもが目を覚まして、泣きそうになっている。 「あ、起きた!よしよし」 泣きそうな赤ちゃんをあやそうと抱き上げようとする。 「アキラ、大丈夫か?俺が…」 横からそっと赤ちゃんを抱き上げる。 アキラは生まれつき筋神経系に難病を持っており、重たいものなどを持つと手や身体が麻痺したりする為、そう気遣って声をかける。 「あ、ありがと」 アキラも微笑み、みずきに任せる。 「よしよし、えぇと、名前は」 「りくと、だな」 手紙を確認して伝える。 「りくと、大丈夫だぞ」 みずきは姉の子どもを抱っこしたりした経験はあるので、とりあえず縦抱きでよしよしとあやしてみる。 すると、りくとはきょとんとした顔をしたあと、みずきの顔を手でひっぱりながら… 「ぱぱ、ぱぱぁ」 「え、みずき、もしかして隠し子いたのか」 意地悪にそうつついてみるアキラ。 「ち、違う、俺は女と寝たことはないから!」 子どもが出来るはずない!と、 なんだか必死に否定するみずきに吹き出して笑ってしまう。 「ぷっ、そんな真面目に、でも慣れてるな、人見知りしないのかな」 「パパじゃないんだが…」 困るみずきを横目にアキラは… 「みずきに懐いてるし、出来るとこまで預かってみる?」 「しかし」 「3日して親が現れなかったら警察に言おうか」 「あぁ」 「なんか、3日分のミルクやオムツもつけてくれてるみたいだし、ちゃんと迎えにくる意思はありそうだしな」 「そうだな、困って頼られたわけだから、とりあえず中に入るか」 「そうだな、みずきパパさん」 「いや、パパじゃないから」 からかうアキラにみずきは苦笑いしながら、2人はりくとを連れて室内に戻る。

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