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第6話

風呂が湧き、りくとを連れて風呂にはいり、一緒にお湯に浸かる。 そこに… 「みずき、大丈夫?」 気になったのか浴室の戸を開けて顔を覗かせるアキラ。 「あぁ、今、湯につかったところだ」 「泣かなかった?」 「あぁ」 りくとは湯をバシャバシャ手で叩いて遊んでいる。 「かわいー、オレも一緒に入ろっかな」 「えっ」 アキラの呟きにドキッとするみずきだが… 「ウソだよ、りくと上がる時言って、タオルと着替え用意しとくから」 アキラは軽く笑って去っていく。 「あぁ、」 ほっとする気持ちと、少しの残念な気持ちが過るが、今はりくとのお世話に専念する。 そして先にりくとを外で待つアキラに託し身体を拭いて服を着せてもらう。ややぐずってはいるが、大泣きはしないりくと。 自分もさっと身体を洗い、風呂から上がるみずき、服を着てすぐにアキラを手伝う。 それなりに役割分担しつつ、りくとの世話をこなす2人。 りくともなぜかみずきが抱いている間は泣きもせずおとなしい様子。 「もうこんな時間か」 みずきは時計を確認して呟く。すでに夜11時が過ぎていた。アキラはいつもこの時間には休むから… 「子どもいると時間たつの早いな」 いつもは2人テレビを見たりしてまったり時間が過ぎるのを待っているから。アキラは感慨深く呟く。 「あぁ、大変だな子育ては」 「ふ、本番の為に予行練習だと思えばいいじゃん」 「アキラ…」 「みずき、子どもに好かれてるし、子どもを持つべきだとオレは思うけどなぁ」 わざとらしく呟く。 「俺はアキラがいれば十分幸せだから…」 そっとアキラの頬に触れ…深緑の瞳を見つめ… アキラの意地悪な言葉にも負けず優しく本心を伝える。 「そのうち飽きると思うけど…ま、いっか、そろそろ寝かしつける?」 「アキラ、俺は飽きたりしないから」 「ふ、わかったわかった、そろそろ寝よ」 「あぁ」 りくともいる為、深くは話せないみずき、りくとをつれて寝室へ。 「どうしようか、ベッドだと落ちたりするかな」 「そうだな、俺はソファで寝てもいいが」 「うーん、まあとりあえず3人で寝てみる?」 ベッドはセミダブルでアキラもみずきも細身なので寝れるだろうと思って。 「あぁ、じゃアキラ横になって」 先にアキラをベッドに誘導して、横になったアキラの元にりくとを預ける。 「よしよし、もう寝るぞー」 アキラは横になったまま、りくとをあやしている。 「……」 そんな2人の姿が微笑ましくて、しばし見惚れてしまうみずき。 「ん?みずきも早く入れよ」 「あ、あぁ…おやすみアキラ」 りくとが真ん中になるように、反対側から布団に入り、そっとアキラにおやすみのキスを落とす。 「ん、おやすみ」 アキラもそう返すが… りくとはまだ寝たくないのか、寝返りをうってハイハイしはじめる。 「こらこら、りくと、寝るんだぞー」 「りくと」 名前を呼んで元の場所に戻すみずきだが、りくとはぐずりはじめる。 それを見てみずきはりくとを抱きあげて… 「アキラは先に寝ていて、りくとが眠たくなったら戻るから」 「大丈夫?」 「あぁ、先に休んでくれ、なぜか懐かれているしな」 「そっか、じゃよろしく」 「あぁ、おやすみ」 もう一度伝え、寝室の電気を落とし、アキラを先に休ませる。 みずきは寝室を出て、隣の部屋でりくとをあやしながら時を過ごし、30分ほどしてようやく熟睡したりくとを連れて戻る。 既に眠った様子のアキラを起こさないよう、りくとも起こさないよう、そっと寝させ… 自分も布団に入る。 アキラの寝顔とりくとの寝顔、ほっと安心しながらも不思議な光景にみずきは顔をほころばせ、眠りに入るのだった。

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