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第9話

しばらくして、携帯電話にメールの着信。 「ん、あ、やば…寝てた」 近くにあった携帯電話の音で目を覚ます。 すぐに、りくとの様子を見にいく。 「良かった、寝てる」 まだすやすやおやすみ中なりくと。 ほっと息をつく。 「えぇと誰から?」 とりあえずソファに戻りメールを確認する。 「あ、みずきか」 みずきに眠る前、少し弱気なことをメールしていたから… メールの内容は… 『今、電話しても大丈夫か?』 休憩中にアキラのメールを見て心配になったのだろう。 「うーん、心配させたかな」 とりあえずOKと返事をしてみずきからの電話を待つ。 やはりすぐに着信。 「もしもし」 『あ、アキラ、何かあったのか?』 「ううん、さっきはちょっと余裕なかっただけ」 『りくとは?』 「今は寝てるよ」 『そうか…本当に大丈夫か?早退しようか?』 心配性なみずき、そう優しく囁くが… 「大丈夫!次起きたらミルク飲ませて少し散歩しようかと思ってるから」 『そうか、なら気をつけて…出来るだけ早く帰るから』 「ん、仕事頑張れよ」 『あぁ、アキラも無理するなよ』 「了解、じゃな」 そう、みずきとの会話を終える。 みずきと話して少し気持ちをリセットし、さっき麻痺した腕をさすりながら、りくとの様子を見る。 「そうだ、寝てる間にミルク用意しよ」 なんとなく先回りで行動し始めるアキラ。 その後、起きたりくとにミルクをやり、ベビーカーのまま近所を散歩して…みずきが帰るまでの間をアキラ1人でやり過ごす。

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