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喫茶店のオーナーと甘党の彼_23 ※

 定時で上がり江藤の所へと来たのは真野が心配だったからだろう。 「お疲れ様」  玄関で大池を出迎えて鞄を受け取る。 「真野は?」 「キッチンに居るぞ。一緒にお菓子作っていたんだ」  お菓子と聞いて大池の目がきらりと光り、キッチンから漂う甘い香りにウットリとした表情を浮かべる。 「ん、良い匂い」 「あと少しで焼き上がるから」  そう江藤が言うと嬉しそうな表情を浮かべてキッチンの中を覗きこんだ。 「大池さん」 「真野」  大池に気が付いて顔を向ける真野に、ポケットから薬局のロゴの入ったビニール袋を取り出して渡す。 「冷却シート……」  真野と江藤の声が重なり、そして顔を見合わせた。 「大池さん、ありがとうございます」  大切そうにそれを握りしめる真野に、江藤は大池へと視線を向ければ目が合って微笑んだ。  帰り際に見せてくれた真野の笑顔を思いだし、大池が見せた優しさが伝わったのだろうなとふっと笑みを浮かべれば、隣に座る大池がどうしたんですかと尋ねてくる。 「大池が気遣い出来るようになったなって思ってさ」  からかうようにそう言うと、大池が心外ですと江藤の肩に頭を預けた。 「俺は変わっていくお前を傍で見守れる事が凄く嬉しいんだ」 「江藤先輩が俺を変えたんですよ」 「俺が……?」 「はい。こんな自分を愛してくれる人が出来たんです。相応しい男になりたい、今までの自分では駄目なんだとそう思ったんです」 「大池」 「先輩、愛してます」  そう目を細めて言うと、ちゅっと唇に軽く口づける。  なんて可愛いんだと、お返しの口づけをすれば、 「せんぱい」  とろんとした目をしながらまるで続きを強請るかのように江藤の唇を舐める。  その誘惑に江藤は勝てる筈もなく、深く口づける。 「んぁ、せんぱぃっ」  舌を絡ませながら江藤を求める大池の舌足らずな声に胸が弾む。  体の奥深くに大池が欲しくなって口づけをしながら大池の服を脱がす。 「ん、俺も」  江藤の服を脱がそうとティーシャツに触れる大池に、その手を掴んで床へと組み敷いた。  ちゅっとリップ音をたて唇を離し、大池の唾液を舌で舐めとる。 「江藤先輩、なんで?」  江藤が服を脱がさせてくれない事に眉を寄せる大池に、 「今日は全部俺にやらせて」  大池を可愛がりたいのだと邪魔な服を脱ぎ去り、大池の肌にキスの雨を降らせる。 「それにしても、大池って甘い物ばかり食ってる癖に太らないね」  標準より痩せているだろう、大池の細い体を撫でながら胸の粒へ食らいつく。 「ふ、あ、せんぱい、俺の体、嫌いですか?」 「違うよ。羨ましいだけ。俺なんてさ、この頃こんなに肉がついちゃってさぁ」  自分の腹を摘まんで見せれば、大池の手が江藤の脇腹を撫でる。 「もちっとしていて気持ちいいですよ?」 「……お前なぁ」  素で言っているので怒るに怒れない。 「はい?」  首を傾げつつも手の動きは止まらず。脇腹を撫でていた手が後ろへと伸び尻を揉み始める。 「こらっ」 「お尻も柔らかくてさわり心地良いですよ」 「ん、おおいけ、今日は俺が、やるって言った」  このままだと大池に流されてしまう。 「ここだけ、だぞ」  だが、大池はやめるともりはないようで、後ろを解させてくれと尻の窪みを撫でられて腰が震えてしまう。  後の口は自分の指よりも大池の指を咥えたがっている。

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