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求愛される甘党の彼_15 *

【彼は彼の愛を知る】  煙草は執筆で煮詰まった時に心を落ち着かせる為に口にする。  紫煙をゆらし、百武がどんな答えを出すのかを待つ。  彼が自分を求めてきたときは天にものぼりそうな気持ちだった。  だが、酔った勢いで口にしているだけで、流されるままに身体を重ねてしまったら、二人の関係は気まずいものとなり最悪な結果を迎える可能性がある。  一度、冷静になって考えて欲しかった。口にした言葉は真実なのか、を。 「乃木先生って煙草吸うんですね」  そう声を掛けられ。そちらへと顔を向ければ、百武がバスローブ姿で立っていた。  湯上り姿の百武の肌はほんのりと朱色がさし、キツい目元も色っぽい。 「あぁ、たまにね」 「そうなんですか」  と隣に腰を下ろす。 「で、どうする?」  百武がどちらを選んでもそれに応えるだけだ。  煙草を揉み消し、真っ直ぐと彼の目を見つめる。 「男同士のやり方なんて知らねぇんで、任せて良いですか?」  自分を見返す目には真剣なもので、口にした言葉は本気だといっている。  もう、自分を止める事などできそうにない。  食いつくように唇を重ねれば、それを素直に受け入れてくれた。  深く唇を重ねて舌を絡ませ。息を乱し、糸を引き合いながらやがて離れていく。 「変な味、ですね」 「苦手だったか」 「煙草自体はあんま好きではねぇですけど、先生が煙草を吸う姿はさまになってたんで、別にかまいません」 「それは嬉しい事を言ってくれるね」  手を握りしめ寝室へと連れて行く。  バスローブの紐を解けば、下着を身に着けておらず、抱かれる覚悟で乃木の元へ来たのだと、改めて実感して嬉しさに身が震える。  露わになった肌へそっと触れ、そして撫でる。 「普通すぎて、幻滅しねぇんですか?」 「そんなことはない。俺には魅力的に感じるけどな」 「俺、自分に自信がねぇんです。愛想はねぇし、強面だし」 「でも俺は全てをひっくるめて、君が好きなんだ」 「乃木、せんせい……」  ベッドに組み敷いて、口づけを落としながら胸を弄る。 「ちょっと、それは」 「なんで? 気持ちいいんでしょう、こうされるの」 「べつに、気持ち良くなんて、はぁ、舐めてるとこ見せつけねぇで下さいよ」  扇情的で困るから。  そう、呟く百武に、目を細めて真っ赤な舌をチロチロと動かし、かたく突起した箇所を刺激する。 「真っ赤だね。君の顔も、乳首も」 「ん……、そこばっか舐めねぇでください」 「あぁ、こっちも触って欲しいってか」  ぐいと太ももを持ちあげ、柔らかな箇所に証を刻み。真っ赤な痕を満足げに見つめ。  蜜を垂らしてたちあがるモノへと触れた。 「ねぇ、ちゃんと自分でも弄ってる?」 「ん、あんま、さわんねぇです。て、なに咥えてんですか」 「何って、ん……ッ、ナニ」 「ふっ、咥えたまましゃべらねぇで下さい」  手で口を押えて必死で声を出すのを耐える百武に、わざとちゅるっと厭らしく水音をたててやる。 「くっ、うぅ」  どんな顔をしてみるのか見えないし、声を押し殺しているのが残念だ。  口の中でイかせ、中に放たれたモノを飲み込む。 「うわ、飲んだんですか……」  非常に嫌そうな顔をされたが、ご馳走様と耳元で囁いてやれば恥ずかしそうに顔を赤く染めて顔を背けた。

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