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 陸斗(りくと)の言葉に柚陽(ゆずひ)の頬がたちまち赤くなる。これは脈ありっすよね?そんな反応に陸斗もますますドキドキして、多分顔が赤くなってるはず。だって、頬が熱いっすもん。  じっと、真剣な眼差しで見つめる陸斗の前で、柚陽は自分の頬を抓った。あれだ、マンガとかでよくある、夢かどうかを確かめるベタベタな手段。 「夢じゃないよね……?」 「夢じゃないっすよ」  陸斗が言っても信じられないのか、まだ柚陽は頬を抓るのを止めない。あー、ほっぺにアト出来ちゃうのに。綺麗なほっぺなのに、もったいない。  どうせ同じアトなら、オレのキスマークを刻みたいんすけど。  随分とご無沙汰なのもあって、つい、そっち側に考えてしまいそうな自分を、内心で叱責する。でも、そうは言っても、まだまだそういうオトシゴロ。自分を苦しい中から救ってくれた可愛い子が、自分の告白に赤くなった頬を抓っている様な光景、ムラッとしても悪くない!  ちょいちょいと柚陽を手招き。陸斗が座るリビングの椅子に近付きながらも、まだ頬を抓るのを止めていない柚陽の手を、そっと掴む。  それから額にキス。鼻の頭にも。首筋にはキスの代わりに舌を這わせて、はむ、軽く唇で挟んだ。ぴくっと震えたのが掴んだ手からも伝わってきて、陸斗の呼吸に熱が籠る。 「んっ、り、りっくん! くすぐったいよぉ……」 「…っ、ふ」  申し訳ないけど、今はその訴えを無視して、首筋を吸い上げた。少し歯を立ててしまったかもしれない。過去の相手と比べるのは失礼だけど、何分久し振りだし、海里(かいり)はソレを嫌がったから。  思えば、誰か他に本命、空斗(そらと)の母親なり、教室でやけに熱心に海里を庇っていた友人、(みなと)なり、本命がいたからかもしれないけど。 「……うん、キレーについたっす。オレのっていうシルシ。夢じゃないって分かってくれた?」  多少強引だったかな?そう思う陸斗の前で、柚陽の大きな目は、うるうると震えていた。どっか、ぼんやりと、とろんとしている様に見えるのは、気のせい?オレの願望っすかね?  もっとスマートなやり方があったかも、なんて、後悔しだす陸斗の前で、柚陽は真っ赤になった顔と、うるうるした目のまま、 「……余計に夢かなぁって、心配になっちゃう」

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