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昼休みは柚陽 と学食だ。
授業が楽しみなんてガラじゃないし、その上今日は時間割が全く被ってない。そうなれば「小学生か!」とツッコまれ様が、昼食の時間が1番楽しみにもなってしまう。
柚陽は「お弁当作るよ!」と言ってくれたし、柚陽が作る弁当は陸斗 としても、ぜひ食べたかったのだけど、なんせ、昨日は結構無理をさせた。
比較的負担が少ないらしいと言われてる陸斗の側だって、久し振りと言うのがあって、ほんの少しではあるものの気だるさが残ってる。多分柚陽の方は、こんなもんじゃないんだろう。そんな状態の柚陽に「弁当も作れ!」と言う気はない。
それに、そりゃあ柚陽の手料理が1番美味しいけど、可もなく不可もなくな学食だって柚陽と一緒なら美味しい。
あと、現実的な問題ではあるが、数日前まで出されていたから無理に押し込んでいたアレに比べれば、学食の料理だってごちそうだ。
「まあ、比べたらさすがに失礼っすけどね。アレは料理ですらなかったし」
1人呟きながら、柚陽に席を取っておく報告をしようとして。
「……は?」
陸斗の気分は、分かりやすく落ち込んだ。
ごめんね!ちょっと出来が良くない課題があって、お昼休みに食堂行けなくなっちゃった……。
なんせ、今日の大学は、これだけを楽しみにしていたんだから。とは言っても、柚陽にあまり負担はかけたくない。
柚陽は真面目だし、サボろうなんて考えないだろう。だったらオレはオレに出来る事をするだけだと「了解っす。頑張って! でも無理は禁物だからね」と送った後で、もう1文を付け加える。
なんなら今夜、オレが分からないトコ教えてあげるっすよ。手取り足取り、ヤサシク教えてあげるっす。机の前って言うより、ベッドの上になりそうっすけどね。
もう!恥ずかしいよ。
我ながらバカップルみたいだ。そう思いながらも、そんなやり取りさえ、柚陽となら幸せなんだから止められない。恋は人をバカにするっていうのは、本当らしい。
気分は単純だけど回復してて、しまりのない顔さえしてたと思う。
「……陸斗くん、だよね。少し話良いかな?」
見慣れない男に、声を掛けられるまでは。
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