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「待てよ」
柚陽 と繋ごうとした手は、しかしそれより先に、港 に手首を掴まれて阻まれる。
陸斗 はその不快感に思わず顔をしかめた。本当に邪魔くさい。どうにかして退学に出来ないだろうか。でも、柚陽を襲っておいてその程度、っていうのは、ちょっと気に入らない。襲ったのは、海里 かもしれないけれど。
「なんすか? まだ何か用? 柚陽とヤりたいって思ってるなら、出るトコ出るっすよ。まったく、キミが救いようのないくらいゴミクズに盲信してても、まだ辛うじて人間なんだからさ。いくら一緒にいると似てくるって言っても、そんな貞操観念グズグズの最悪なトコは似なくて良いと思うっすよ?」
不快感のままに吐き捨てれば、手首を掴む力が強くなった。正直鈍い痛みを陸斗に訴えるものの、陸斗は内心で歓喜する。
このまま手を出してくれれば、正当防衛で殴り返す事が出来る。退学なんて、なまぬるい。それこそ手足の骨を折って。なんなら港は海里 を大切にしているようだから、そんな身動き出来ない状態の港の前で、海里を延々と犯し続けるのも良いかもしれない。
海里にはご褒美になりそうなのが陸斗の中でネックだが、そうしてやろうか。さあ、早く殴ってみろよ。
海里への復讐としてはまだ足りないものの、少なくとも港にとっては満足のいく報復、港を潰すのに良い方法を思いついて、思わずこぼれそうになった笑みは。
やはり、憎たらしい事に海里によって掻き消されるのだ。
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