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それで崩れていくんすかね? 12 | 夜煎炉の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
それで崩れていくんすかね?
12
作者:
夜煎炉
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12
港
(
みなと
)
は、咳き込みながら、
陸斗
(
りくと
)
を睨み付ける。肩のあたりを机にぶつけたのか、片手で肩を抑えて。ゼェゼェと汚い息をしながら、座り込んだ姿勢で。 呼吸を封じられていたのもあってか、港の目には生理的な涙が浮かんでいた。 目に涙を溜めて、上目遣い。 なるほど、コレをしてくれたのが
柚陽
(
ゆずひ
)
だったら、どんなに幸せだろうか。 陸斗の理性なんて一瞬で消し飛んで、激しく、でもやさしく、抱いたに違いない。 でも今そうしているのは、
海里
(
かいり
)
に盲信している1人の男。顔立ち自体は、海里が遊び相手の中でも好んでいるだけあって、ソレナリに整ってるけど、柚陽の様なかわいらしさとは程遠い。 つーか、こんなのと柚陽を一緒にしたくもないっす。 だから港のそんな姿を見たところで、吐き気や怒りこそ湧いてきても、欲情なんて微塵もしない。 それでも、
波流希
(
はるき
)
達への告げ口防止となれば、これくらいしかないだろう。 「お前、……ケホッ、マジで、柚陽ばっかに入れ込むな、って。お前の方が、よっぽど盲信してる、っつーの」 「まだそんなコト言う元気があるワケ? バカは死ななきゃなんとやら、って、本当みたいっすねぇ」 港へと近付いて、視線を合わせる様に陸斗も屈む。……ああ、本当、ユウウツなんすけど。 まだ何やら喚く港を無視して、陸斗は港のベルトへと手を伸ばす。散々アイツとシてきてるから、オレの意図も分かってるハズなのに、逃げようとしないあたり、もしかしたらこれじゃ口止めにならないっすかねぇ。 それとも打ちどころが悪かったんだろうか。顔を顰めてるし、そうかもしれない。ていうか、そうじゃないと困る。 「その、気持ちを、ちょっとでも海里に向け、ろって。お前、海里の過去を聞いたんだろ……」 頭に血が上って、ぱあん、と高い音が1つ。 「ヒドくされたい、って言うなら別っすけど、そうじゃないならもう、そのクズの名前、出さない方が良いよ。アンタに辛うじて持ってた同情心、だんだん無くなってきてるしさ」 カチャカチャと、「これからされるコト」を認識させるために、派手に音を立ててベルトを外す。 外したベルトは適当なところに放り投げて、吐き気をこらえながら、下着ごとズリ下げようとズボンに手を掛けた。
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