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それで崩れていくんすかね? 4 | 夜煎炉の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
それで崩れていくんすかね?
4
作者:
夜煎炉
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4
柚陽
(
ゆずひ
)
に聞いてみるとは言っても、そんなに簡単な事でもない。これで柚陽が
陸斗
(
りくと
)
に隠していたり、明らかにコソコソしていれば話は別だ。「柚陽、最近どうしたんすか?」「大学行かないんすか?」なんて聞く事が出来る。あとは、それとなく授業の話を聞いてみたり。 でも柚陽とは一緒に大学へ行ってるし、授業が違う時は「こんな事があったんだー」なんて楽しそうに、時には疲れたように話してると、「嘘っすよね?」なんて言えるワケがない。それだけで波風立ってしまうし、柚陽の事を疑っていると言っている様なものだ。 出来れば柚陽とは温厚で幸せな関係を続けていきたいし、あんな事になるのは避けたい。 「りっくん!」 「柚陽。授業お疲れ様っす」 授業を終えた柚陽が駆け寄ってくる。いつもどおりだ。 柚陽は話を聞いていても違和感なんて微塵も抱かないくらい自然に、「うん、今日は疲れたよー」なんて切り出して授業の話をする。 たとえば、ここで「あれ、でも今日ってあの教授、途中で抜けたんじゃなかったっすか?」とでも言えば、その反応から少し何かを悟れるかもしれない。でも、そんな恋人をだまし討ち、みたいな真似はしても良いものっすかねぇ。 迷っている内にそのタイミングは逃していくもので、今は柚陽の言葉を聞くに留める。あまり焦って動いても良い事はなさそうだし、ちょっと様子見っすかねぇ。 ぼんやりと考える。 急いてはいけない。自分に言い聞かせながら、陸斗は脳裏に焼き付いた足の白い包帯を振り払う事に努めた。
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