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友人たちに「変わった」と指摘されるようになった陸斗 であるけれど、“こんなこと”を考えてるあたり、本当に変わったんだと改めて実感する。今までなら紗夏 がどうなっても構わなかったし、なんなら紗夏を利用して、海里 だけを助けるってことも、考えたかもしれない。
自業自得だって分かってる反面、恨みだってある柚陽 が、いつか、もう原型も留めないくらいに壊れきったソレを見た時、どう思うかなんて。
その時壊れているのが、つい昨日会ったばかりの人間なんて。
今までじゃ気にもしなかった。
「あー、でも、りっくんは確かに変わったよねぇ。人当たりは、良くなったと思うよー。オレのおかげ?」
「まあ、ある意味そうっすね」
「自分の甘さに呆れた」と言った陸斗に、少し考え込んでから、「うんうん」なんて頷く柚陽は納得したらしい。「オレのおかげ?」なんて図々しいことをはっきりと聞いてきたのには驚いたけど、ここで反論したって面白がられるだけっすよね。
だからあえて素直に肯定すれば、柚陽は目を白黒させて、分かり易く驚いた。
「それでー? りっくんは自分の、どこが甘いって思ったのかなぁ? 甘くてやさしいりっくんは、オレのために海里をくれるの?」
「あげねぇっすよ。つーか、海里はあげたりするもんじゃねぇし。海里が、海里の意思で、取る手を選ぶんすよ」
「もう! いつからりっくんは硬派になっちゃったんだろ? こっちは頂けない変化だなぁ。それで? じゃあどのあたりが甘くなったの?」
いざ口に出すのはためらった。ボロが出る危険はあるし、柚陽はおそろしく聡いし、人の隙を突くのが上手い。それはこの1ヶ月くらいで、嫌というほど痛感してる。
そんな相手を前に、危ない橋を渡るモンじゃねぇっすけど、最低限の安全を求めた結果、それさえ壊されたんだから、「安全策」なんて、柚陽の前では無意味なのかもしれない。だったら、と、陸斗は内心でそっと、覚悟を決めた。
表情には出さないように気を付けて。
「アンタは愛を持って傷付ける。愛があるから壊す。じゃあ、愛がない相手には一切そーいうコトはできないんすね」
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