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side…碧
緑川 環は完璧な男である
仕事をそつなくこなし上司からの信頼も厚く、誰から見ても仕事のできる奴
同僚からは頼られ、優しく爽やかな奴
女の子からも絶大な人気があった
彼女はいないらしく、いつも女の子に囲まれてる
…………話は四時間前に戻る
「如月。今夜、暇?
一緒に飲みにいかない?」
緑川は先月から俺の部署に移動になってきた
まだ、あまり親しくない
なんで俺?
同い年だから?
まぁ、いいか。明日休みだし
「いいよ」
二人で会社の近くの居酒屋に来た
メニューを見る緑川に目線がいく
男のくせに長いまつ毛だな……
イケメン……
女の子達が騒ぐのも分かる
「何?」
緑川がパッと顔を上げる
男に見とれてたなんて恥ずかしいから笑って誤魔化す
「ははっ。別に……」
コイツ、すげー眼力だな
なんで…………
そんなに見てるんだよ
少しドキッとしてしまい、慌てて目線を逸らした
「………」
「ちゅ、注文しよう!すみませーん」
なんとなく緊張してしまい、飲むペースが早すぎたのは分かっていた
でも、なぜか射抜くような緑川の目線に、
逃げられなくて、次々にグラスを空けていた
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