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久し振りのバー。 碧のいない夜。 「悪かったな。遅れて」 「仕事なら仕方ないよ」 「ねぇねぇ。カウンターの二人もすごい 格好いい!!」 「イケメン率、高すぎ!このお店」 「声かけてみる?」 「だめだめ!すでに三組くらい、断られてる」 「相変わらず、モテるな?環」 「別に。」 「お前のペット、もしかしたら茶髪?」 不意にそんなこと言われた。 「……いや?黒髪ですけど」 「じゃ。ストーカーか?端の席の水色のシャツ、ずっとお前の事を見てる」 「…………?本当だ」 「ちょっとタイプかも………」 「おいおい。浮気か〜?」 「そう言うんじゃないけど、なんか気になる」 「お前、ああいうチャラチャラした奴、好きじゃないだろ」 「うん……なんでだろ?」 なんだろう。アイツ…… 気になる………… 帰り際誘われた。 「この後、うちに来ない?」 「宅飲み?」 「たまには、いいだろ?」 「じゃ、行こーかな」 宅飲みなんて久し振り。 急に肩を乱暴に掴まれた 振り向くと、さっきの水色のシャツ…… 「…………?」 知り合いか…………? 「環……」 え!?碧の声………! なんで…… …………よく見たら碧だ! 「え?碧!?なんだ!? その髪、その目!誰かと思った…… その格好も…… っていうか、なんで、ここにいるの!?」 少し泣きそうな顔の碧と目が合う 「環……一緒に帰ろう……」 ギュッと掴まれた肩が熱くて、碧を見つめた

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