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、
よく分かんないけど、目の前に碧がいる
「ごめん。また今度でいい?」
「あぁ。一緒に帰ってやれ」
「ご馳走さまでした」
「またな」
碧は、隼人さんにペコリとお辞儀をしてから、グイグイ俺の腕を引っ張って外へ連れて行った
「おい!碧!全然、意味分かんないんだけど。
説明してくれ」
碧は何も答えず大通りに出た
手を上げてタクシーを呼ぶと車内に引っ張りこまれる
。
「どこのホストかと思ったよ。
なんで変装してたの?碧?」
「………」
碧は何も答えない
「碧、だいぶ飲んだ?酔ってるの?」
タクシーの中、全然答えない碧に困っていると手を握られた
碧…………?
一体どうしたんだよ
碧の家に着いて階段を登ると、碧はふらついて
よろけた
慌てて支える
「おい。大丈夫か?相当、酔ってんな」
家に入りカバンを置こうとしたらソファに押し倒された
「………わっ」
ビックリした…………
碧はシャツを脱ぎ捨てた
想定外な碧の行動に戸惑いを隠せない
「………碧。一体、どうした。
お前、酔い過ぎだろ……」
俺のベルトを外される
碧に誘われた事なんて一度もない
一度も…………
多分、相当酔ってるんだろう
こんな酔ってるのに手を出すのとか、あり得ない
でも、必死に掴まれた腕
伺うような不安そうな瞳
涙目で見つめられたら堪らない
「…………環。抱いて。」
そんな、うるうるした目で見るなよ
…………俺の理性は崩壊寸前
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