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第5話
両親や集落の仲間からだいたいの事は教わっていたし、知ってたつもりだったけど……。
受胎問題……大変そう……。
どことなくまだ他人事感が否めずに 気分は上の空……。そんな中 研究所を案内してくれるっていうカラちゃんとティアに付いて行くと広い中庭の様な所に出て。思わず足を止める。
緑が多く 人工的に作られた施設の中だというのに……故郷アークスの自然をどことなく感じるような……。
噴水から流れる水が水面に流れ落ち、跳ね返る飛沫を凝視する俺に、ティアがベンチに座れるよう手を引いてくれた。
二人ともしばらく水面を見つめる俺をそっと見守ってくれていたみたい。
しばらくして、カラちゃんが俺の横に座ってふいに俺の長い髪を結い始めた。
「虹の髪って本当にサラサラ〜! 楽しい!!」
何故だか、お下げ髪に結われて少し困っている俺を見て クスクスとティアが笑っている。
「色々と不安だろうけど。ゆっくり虹のペースでいこうね。(お下げ髪似合ってるよ)」そう言って微笑んでくれたのはティア。
「あたしの方がチビだけど生まれた時からここに住んでるから先輩だから!色々と頼っていいのよ?」
と、小さな胸を張って得意げに言うカラちゃんにちょっと吹き出してしまった。
「……。」
「うん……。二人ともありがとう。」
俺は、うまく笑えなかったかもしれないけど……今出来る精一杯の笑顔でそう答えた。
不安が無いわけじゃない。
国から期待されてる様な成果が出せるのかも……
俺に子供が産めるのかも……。
いつかは子育て……??
考えるほど頭がこんがらがるけど……
ここで生きて行く 少しの勇気と自信を貰ったきがしたんだ。
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