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第10話

◆◇◆◇ 座ってるティアの膝の上に跨った状態で、下から俺の顔を覗き込まれている体勢…… すごく……恥ずかしい……。 綺麗な顔が近寄って来るだけで、顔が心臓になったようにドクドク。熱い……。 触れるだけのキスの後……。 俺の思考はキャパオーバー。 「ふふ。顔が真っ赤だ。虹は本当に綺麗で可愛いね。」 微笑むティアの目尻が下がる。 (俺が……綺麗で……可愛…い……?) マゼンタの瞳の中に吸い込まれそう。 ぐるぐる回る言葉と思考……。 まとまらない……。 「虹……ちょうだい……。」 そう言って 俺の顎をやんわり掴んで……深く口付ける。 手で優しく口を開かされ……求められ舌先で刺激を受けて吸われれば自然と唾液が溢れる。 重力に逆らえず流れるそれを、ティアが舐めとる。 「んっ……っ……んん……。」 俺は息が出来ず苦しくて、ティアの肩をぎゅっと掴んだ。 「虹、鼻で呼吸してね。」 一旦唇を離しそう言うティアの吐息が心なしか甘い。 ……でも……考えてる暇もなく、また口付けられ……柔らかな舌に絡め取られる。 鼻で呼吸を頑張ると……ティアのいい香りが鼻腔いっぱいに広がる……。 味わったことの無い感覚に戸惑いよりも、安堵感や心地良さを感じていた。 きっと……今、凄く……気持ちいい。 ちゅ っとリップ音を響かせてティアが離れていく。 「はぁ……はぁ……。」 長いキスが……やっと終わった…と 肩で息をする俺の後頭部を優しく包み ベッドに寝かせられる。 覆いかぶさってきた柔らかな銀髪の綺麗な顔をした青年が艶やかな笑みを浮かべ、甘い声で囁く。 「……僕のも……飲んで……?」

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