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第11話

綺麗な顔と赤く充血した唇が やけに妖艶で。 覆いかぶさるティアの瞳が陰るどころか眩しくて…… ふわふわしたキャパオーバーの頭ではぼーっと見つめる事しか出来なかった。 「……嫌だ?」 反応のない俺を気遣い声をかけるティア。 「……うううん…。」 慌ててかぶりを振ってティアの腕を掴んで引き寄せ肯定の意を精一杯示す。……嫌なんかじゃない。 …… もっと……。 ……。 そして優しく降ってくる柔らかな唇。 啄むような口付けを数回交わし、徐々に深くなっていく。ティアが軽く口を開けて舌伝いにあったかい液体を送り込んでくる。 それを必死に飲み込もうとコクリと嚥下するも、口を開けたままだと上手くできず……口の端から溢れる。 唇の端から溢れる液体が外気に触れて冷えるのと対照的に……俺の身体は徐々に熱くなっていく。 「はっ……ん……ん……っ。」 角度を変えて舌を何度も吸われ……息が上がる。 同時におへその辺りに違和感が増してくる。 何……これ……? どうなっちゃったんだろ俺……? 次第に腰に痺れがまわっていき、ズキズキと下腹部が痛みだした。 経験したことない未知の感覚に静かにパニックに陥ってた俺は………酸素が足りてない頭でどうしたらいいかも考えられなかった。 互いの唾液でとろとろになった口腔内。 熱い……。 身体がいうことをきかない……。 ティアの腕を掴む力も抜けシーツに頼りなく落ちる。 長い貪るようなキスの合間に 微かにティアの声がする……。 でも……もう…… ふっと全身の力が抜けて……その後の記憶がなくなってしまった。

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