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第12話

……何だか……眩しい…… 遠くで鳥の声が聞こえる。 居住区からは……植林地が近いんだっけ。 ん〜 俺は……何でここに居るんだっけ?? ……アークスからヴィダリア王国に来てRナチュラルとして研究に従事する…… …… ……っ!! ハッとして ガバッと起き上がりキョロキョロ辺りを見渡す。 「おはよう、虹。朝食は食べられそう?。」 キッチンから寝室に顔を出し、柔らかな銀髪の青年が優しい笑顔を向けてくれる。 名前はティア。……とても綺麗な人…… 俺のパートナー。 パートナー…………。 ……??! そうだ!!昨日パートナーの儀式!! ちゃんと出来たんだっけ??? 「ティア!俺達……。わわっ!!」 ティアがベッドに腰掛け俺を引き寄せ抱きしめる。 「ん……昨日ごめんね。虹があんまり可愛くて夢中になっちゃった、辛かったよね?。」 俺の背中を優しくさすり、宥めるように抱きすくめられる。 「ううううん。平気だよ?……俺達ちゃんとパートナーになれたの?」 ティアの胸に抱かれつつ問いかける。 「ふふ。それはもちろん、儀式は成功したよ。虹は覚えてないかもしれないけど ちゃんと身体も反応してたしね。」 ……!! そうなんだ!! あの 味わったことの無い感覚……。 そういう事だったのか、、、。 「……赤ちゃん出来ちゃった……??」 恐る恐る……気になったことを聞いてみた…。 ……。 …………。 暖かい胸からゆっくりと身体を離されて……少しもの寂しい。 じーーーっと 俺の顔を陶器の様に白い肌をした綺麗な顔が覗きこんでいる。 俺の肩を掴む手が小刻みに震えている。 …………??何……?? 「ぷっ……あはははは……っ」 子供みたいに目尻を下げて笑うティア。 どうやら笑うのを堪えて居たらしい。 「虹……キスだけじゃ赤ちゃんは出来ないよ?本当に何も知らないんだね。」 まだくすくす笑うティアに、何か凄く恥ずかしい事を言ったんだと気が付き俯く……。 「ごめん、ごめん。可愛い僕のパートナー。不貞腐れないで。これから僕がめいいっぱい大事にするから。色々教えていってあげるね。」 そういってひとしきり笑って背を撫でられ、軽く頬にキスを落とされる。

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