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第13話

朝食後に、ウェルランド博士の元に呼ばれ二人で研究室に行く。 居住区から研究室までは一旦中庭を通って外の空気を浴びる。ヒュームの多い科学的に進んだヴィダリア王国の都市部では、全ての建物がドーム型の屋根に覆われた二重構造になっている。 メグワンダと呼ばれる人工母胎を守る為、さながら鑑賞用玩具のスノードームの様な形状である。外気も一旦ろ過され研究所に送られている。 充分な数の植林がなされ、一年中穏やかな気候のこの国では日光もヴィダリア王国の人々の肌の白さを表すかのように、紫外線をカットされた優しい光が届く。 故郷アークスでは四季があり、暑さが厳しい時も寒さが厳しい時も人々は持てる知恵を絞り慎ましやかに生活していた。世界ではもっと沢山の国があって色んな人達が暮らしている。 そう俺は学童で学んだんだ。 まだ見ぬ世界へ思いを馳せていると研究室前に着いた。研究室のドアを開けると、ウェルランド博士が壁一面はあろうかというモニター画面を背に立ってた。 「おはよう、虹、よく眠れたか?」 丸眼鏡をクイッと上げながら、博士は食い入るように俺の顔を見つめる。 「……お、おはようございます。」 後ずさりたい気持ちをぐっと堪えて、たじたじになりながら目を逸らす。 「あっはっは!!こりゃ〜いい!!早速パートナー成立めでたいな。拒絶反応も無し。」 「ティアも、珍しく性急じゃないか。この調子でドンドンいってくれればいいぞ。」 ハッハッハと笑いつつティアの背をバシバシ叩く博士。 何か……初めの印象と違う様な……。 にこにこしながら、パソコンに向かって何か打ち込む博士。ティアは呆れた顔を覗かせつつも穏やかな雰囲気の二人を見ると俺もちょっとほっとした。

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