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第8話

目が覚めると、窓から見える景色はもう薄暗い。 どうやら、数時間眠ってしまってたらしい。 っと……!! 視界に綺麗な顔が映る。 「ティア?!」 びっくりして飛び起きる。 「な……!いつから居たの?起こしてくれたら良かったのに。」 慌てて早口で話して俯いてしまう……。 「うん。虹がとても可愛い顔で寝てたからつい見とれちゃって一緒に横になってた。」 ……!! 取り乱す俺に微笑むティア 何だか、ずっとティアのペースに巻き込まれてる気がする……。 「ふふ。虹 おなか空いてない?そろそろ夕食にしようか。」 そういえば…微かにキッチンの方からいい匂いがする。途端 腹の虫がグゥと鳴るもんだからほんと調子いいよね。 「……うん。」 キッチンに行ってみると、ほぼ準備は終わっていて、温め直すから座って待っててと。 至れり尽くせりで、何だか申し訳ない……。 眼前に広がる食事は……故郷アークスでは見た事ない料理。とても色が鮮やかだ。 俺はティアに料理の食材やら調味料やら色々尋ねた。基本的な食材は変わらないものの、色味の強い野菜などがここヴィダリア王国では好まれて生産されているのだそう。 味も見た目より柔らかい優しい味がする……。 「すっごく美味しい。」 俺はあっという間に平らげた。 「良かった。ここの料理は虹の口に合うようで。じゃあ、少し休憩したらお風呂入っておいで。」 ティアが椅子から立ち上がり、俺の髪をそっと撫でた。

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