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第16話
「お待たせ、二人とも。そろそろ昼食に行こう。」
「うん!お腹空いたぁ~。」
ここの研究施設では、大勢の研究員と食事を共にできる大食堂がある。凄く天井が広くて明るく清潔な大食堂。食材が色鮮やかで見てるだけでも楽しい。
どうやって調理するんだろ……。
俺、故郷では兄と姉と一緒に食事当番をしていた事あるから、少し気になる。
横からひょいと顔を覗き込んでティアが聞く。
「虹は、何食べたい?」
明るい所で、ティアの顔、改めて見てみると……まつ毛長い……。
「……ん……俺は……よく分からないから、ティアと同じのでいい。」
そう言って、出てきた食事は色鮮やかな野菜とお肉の炒め物だった。味もとても美味しくて、ほのかに甘みがあり……食べた後幸せな気分になれた。
「ごちそうさまでした!」
カラちゃんは黄色い卵がふんわりかかったオムライスのような、でも中のご飯が鮮やかなブルー色で……ちょっと俺はびっくりしちゃったけど、美味しそうに食べてたから、やっぱり美味しいんだろう。
……うん。
やっぱりヴィダリア王国はまだ分からない事がいっぱいだ。
食堂を後にして、カラちゃんはまたお勉強があるから!と言って たったかと走って行ってしまった。
「ティアもまた、学童に戻るの??」
「いや、今日からは僕の授業、午前中だけになったんだよ。午後からはずっと虹と一緒に居られるよ。」
その言葉を聞いてめちゃくちゃ安心してしまった。
そして顔にも出ちゃってたんだろう。
ティアも嬉しそうに微笑む。
「虹には僕の特別レッスンがあるからね。」
……。
!!
朝、ウェルランド博士に言われた事を思い出して、真っ赤になって唸ってしまった。
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