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第19話

夕食後……。昨日と同じく俺が先にお風呂に入り、髪を乾かしてもらって、ティアがその後お風呂に入る。 ベッドに……腰掛けて待ってる間、そわそわしちゃっていたたまれない。 自分からレッスンして、とは言ったももの……実際どんな事をするの、かな。 祖国アークスでは、性教育とか、、、そういうのは……遅れているんだろうな。自然に子供を成すことが出来るナチュラルが多いのも要因かな……。 いや、でも集落の同じ歳の子達は教育授業があったはず。俺は呼ばれてない。Rナチュラルだから、やっぱり特別扱いされてたんだろうな。 うーん。思い返せば色々と腑に落ちる出来事も……あった、気がする。仲のいい友達や家族は男として接してくれてたけど。たまに行く診療所や役場なんかではなんとなく好奇な視線を感じなかったと言えば嘘になるし……。 自分が男女どっちでもない変わった人間だって現実を突きつけられた気分になって、さっきまでのそわそわした気持ちが一気にざわざわした胸の内に変換されてしまった。 「虹、お待たせ。」 バスローブを身にまとってまだ水分の残る銀髪にタオルをあてながら、ティアが寝室に入ってきた。 「ん?どうしたの?。泣きそうな顔になってる。」 ギシ……と軽く音をたて俺の横のベッドが少し沈む。 お風呂上がりのいい香りとティアのいつもの安心する香りが鼻腔をくすぐる。 「……Rナチュラルって、男か女かどっちなのかな?。」 俯いたまま、独り言のように呟く。 そっと俺の手を包み優しく握るティア。 少しの沈黙のあと 「うーん。そうだね。虹は男の子だけど、赤ちゃんが産める。だから……選ばれた男の子だね。」 「きっと、世界の種の存続の鍵になる。」 「……。」 俺は、鍵になるとか選ばれたとかそんなことは……よく分からないけれど、ティアに男の子って言って貰えて、ただそれだけで……嬉しかったんだ。

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