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第20話

ガバッと隣のティアに抱きつく。 言い表せない気持ちが先回りしちゃった感じ……。 自分で自分の行動に驚く。 ……一呼吸置いて暖かい腕が背中に回される。 見た目の華奢な印象よりも案外背中が大きい事に内心びっくりしながらも ぎゅっと少し力を込める。 「虹……。」 俺の背中に回された腕が、位置を変え後頭部を優しく包み込んだって思ったら唇を塞がれた。 もちろんティアの唇で。 そのまま身体を預けて自然とシーツに寝かされる。 ベッドのふかふか加減が気持ちいい。ティアとのキスでふわふわになっていくのも気持ちいい……。 ふわふわしてた感覚がティアの唇が首筋に移動した事で現実に引き戻される。 「ん……っ。」 くすぐったい。 ティアが器用に俺のバスローブの腰紐を解いて、いたんだろう、手が……脇腹に差し込まれてくすぐったさに身をよじる。 暖かい手のひらは心地いい。肌の感触を確かめるように執拗に撫でられて……心地良さと恥ずかしさが入り交じる。 身体を人に触られるのって……こんなに恥ずかしいし気持ちいいんだ……。 くすぐったさはもう感じない。 ────意識して誰かに、そこに触れられる事は今まで無かった胸の先端にティアの親指が撫でるように触れた。 「ひゃっ!?」 初めての感覚に声と身体が跳ねる。 思わず自分の両手で口を覆う。真っ赤になった俺の顔を覗き込むティア。 柔らかな銀髪がはらはらと流れて俺の頬を掠めた。 「キスより先に進んでもいい?」 ……こ、この状況でそんな事言われても……レッスンを望んだのは俺だったし……首を縦に振るのが精一杯。 一瞬嬉しそうに破顔したティアを見てつられて笑った。 ……もちろんそんな余裕はここまでだった。

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