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第23話

その後、朝食をとってからまた二人でウェルランド博士の研究室へ顔を出す。 これが毎日の日課になるんだろう。 ……。 部屋に入るなり博士が……俺の顔を食い入るように見つめる。 そして、意味深にニヤリと笑って、俺の肩を博士から護るように抱いていたティアにクスクスと笑いながら 「どうだ?清らかな身体を開拓する気持ちは?」 「……?!」 ちょっと焦りで全身が熱くなってる俺を尻目にティアは涼しい顔で 「最高ですよ。大事にじっくり味わいます。」 ……?! 目を白黒させてる俺は、頭の中で(これがヴィダリア王国の普通!当たり前!恥ずかしくない!!)と唱えてどうにか落ち着かせる事に成功した。 その後も博士とティアは何か話してたけど……俺は、データ転送のカプセル室へ移動した。 データ転送が終わってから問診と触診があって、 そしてここでも、主治医から…… 「乳首がちょっと赤くなってますね。弄りすぎは控えて下さい。お薬出しておくので朝晩塗って下さい。」 「……は……はい!!」 うわー!……お医者様だけど…こんな…… うう……恥ずかしくて倒れそう……。 お、俺……この国の常識についていけるんだろうか……。そう自問自答しながらラウンジに出ると、昨日と同じ様にカラちゃんが迎えに来てくれていた。 「虹〜!お疲れ様!今日はねえっとね!ティアに学童まで来てって言われてるの!ちょっと手伝って欲しい事があるんだって〜!」 早口でまくし立てられとりあえずカラちゃんについて行く。 常にスキップしてる様な状態で楽しく歩くカラちゃんを見てるとこっちまで楽しくなってくる。 研究室から中庭を抜けて、居住区とは別の分かれ道を数分歩く。歩道には背の高い木々が植林されていて、ずらっと一本道を守るように両脇に木々が並ぶ光景は壮観だった。 突き当りに見える二階建ての建物の金属で細やかな装飾の施された厳かな雰囲気の門をくぐる。 子供たちは授業中かな…… 広い敷地内に1面びっしりと敷かれた手入れされた芝生がシーンとした学童内を余計広く感じさせた。 「ちょっと、ティアの教室覗いて行こっか!」 いたずらっ子の様にウインクして見せてカラちゃんは静かに教室へと続く螺旋階段を登っていった。

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